エイサーの構成や隊列について  

エイサーと三線

エイサー構成について

エイサーは沖縄本島の地域によってさまざまである。

ここで解説するのは大太鼓、締太鼓のエイサーを主体としたものだ。

【まずはエイサーの基本隊列】

①、地謡 ②、旗頭 ③、大太鼓 ④、締太鼓 ⑤、男踊り ⑥、女踊り ⑦、チョンダラ~

以上の7つの構成で隊列を作って演舞する。

全島エイサー実行委員会オフィシャルサイト動画

地謡

エイサーの踊り手は、この地謡(じうてー・じかた)の歌、三線のメロディーに合わせて演舞する。

地域の歌い手が担当し人数は2~6名。

青年会は、じうてーのできるOBや地域の名人にお願いする。地域によってはイベントごとに対価としてお金を支払うこともある。歌い手と踊り手はまったく別で考えることもあるのだ。

また音響設備なども青年会で準備する。

祭りやイベントは会場に音響設備が整っているため演舞するだけでよいが、旧盆だと青年会で音響を準備からセッテッング、片付けまで全て対応する。

旧盆の道ジュネー用の音響セッテッングは各青年会によって異なる。

  1. 軽トラックの荷台に乗るスタイル
  2. 踊り手と一緒に歩くスタイル

エイサー演舞では三線や歌に合わせて演舞するので地謡はとても需要である。CDや録音した楽曲で演舞するところもあるが、やはり生唄が一番いい♬

旗頭

エイサーの看板。先頭に立ち青年会の顔(^-^)である。旗をリズムに合わせて上下に揺らしたり踊る。

旗は各青年会によって色や飾りつけも違う。

特徴は自らの青年会を誇示するため高く掲げたり、他の青年会よりも目立たたせようとする。

エイサーは基本、野外で演舞することが多く突風に煽られることだってあるが、看板を倒すことは許されない。

よって風に煽られても抵抗せず持ちての竹を身体を使いながらうまく踊るのがコツである。

旗頭を担当する人は体格がガッチリしている人が人選されるが、体格があって腕力があればいいと言う訳ではない。

重さ10㎏~15㎏ぐらいだが環境によっては何十倍の負荷にもなる。

作りは竹で出来ており、てっぺんの緑は「ソテツ」の葉(南国に育つ木)を飾りつけている。

 

大太鼓

エイサーの音頭とりの役割。

全体の音がずれないように常にリードする。

重量のある太鼓だけに体力も要求される。ダイナミックな演舞が魅力的で大太鼓の音がズレると他もずれてしまう。

大太鼓の人数は基本4名~8名、ただし各青年会によって人数は異なる。

大太鼓は中心的存在なため演舞中の隊形は常に頭に入れ、歩くスピードも考え、メロディーも常に聞いていないといけない。一人三役ほどの大役である。

また青年会には会長というリーダーが存在するのだが、大抵の会長は大太鼓を任命される。

それほど大太鼓は踊り手の中心的存在と理解して頂けるとよい。

 

締太鼓

大太鼓の次に重要な役目。

太鼓の重さで反動をつけてダイナミックな動きとスピードが要求される。

大胆さと細かな演技が魅力である。若い青年には人気のあるポジションと言えるでしょう。

締太鼓の人数は基本20名~60名と上限はありませんが多い青年会だと100名近くにもおよぶ。

締太鼓の魅力は、何といってもバチさばきと軽快な動きにそろった演技は圧巻です。

 

男踊り(いきがもーやー)

沖縄の琉球空手の型を取り入れた力強さが魅力。

太鼓は持たず、由来どおり男性の手踊りが特徴である。

青年会入会時は、まず手踊りから始めることが多い。手踊りをすることによってエイサーの型やリズム、動きをつかむのである。経験をつむことで役員に認められる。また青年会を引退したOBでも新人と一緒に踊ることもあるのだ。

その例として旧盆で地域を巡っていると、昔のOBや高齢の人でもお酒を交わしながら笑顔で一緒に踊ったりする。

補足として各青年会によっては男踊りが存在しない地域もあります。

女踊り(いなぐもーやー)

男性とは対照的で華やかな踊りが見どころ。

男性の太鼓や男踊りのように、派手さはないが、手先のしなやかな動きとヘーシ(囃子)はエイサー全体に黄色い華を添えてくれる。

青年会によっては四つ竹や扇子などで曲に合わせて踊るのも特徴です。

何といっても、エイサーでは女性は欠かせない存在。

華麗な演舞はもちろんだが旧盆の道ジュネーではご飯や飲み物を準備してくれて、疲労で空腹になったお腹を満たしてくれる。ちなみに旧盆では5~6時間ひたすら地域を巡る。

 

チョンダラ~

1人~4人ほどの白塗りの道化役、踊りの補佐や、隊列、太鼓を叩くバチが折れた際には交換したり、常に観客も含め全体を把握するマルチプレイヤーの存在である。

旧盆の道ジュネーでは踊り手の水分補給や、地域住民を盛り上げたり、キャリアを積んだベテランがこの役を担うことが多い。

観客を沸かせたり、全体の雰囲気を盛り上げるなど、踊り手の精神的な柱といってもいい。

それぞれの青年会ではメイクや衣装に工夫が見えるのも特徴です。

補足として戦後の時期はチョンダラ~とう道化役は存在しなかった。

いつ頃から存在したかは定かではない。

しかし今では表舞台も裏側でもチョンダラ~の存在なくして青年会はないといっても過言ではないだろう。

マルチだけあって、それほどの役目を果たしている。

エイサー青年会の魅力

最後にエイサーの魅力について説明して終わりにしたいと思います。

エイサー青年会は戦前から続く100年以上もの歴史があります。

この歴史といったらすごいの一言。

青年会は自治会あっての地域活動。

先祖代々からの文化を貢献者たちが受け継いでいます。

青年会の年齢層は15歳~40歳ほど、全てボランティア活動です。

年齢層が幅広いため、学生から社会人まで業種問わず多くの会員がいます。

青年会を活動していると色んなストーリーがある。

エイサーで身に付くことは、踊りのほか、人間力や道徳、人脈、コミュニケーション能力など、あらゆることを学び身に付きます。

青年会の役員は20歳~25歳ぐらいまで任されます。役員に任命された人であれば二十歳そこそこで年齢も違う人をまとめないといけません。そんな年齢層の人をまとめるのは一苦労ではない。何度も心が折れそうになることだって多々あるものだ。この人的信用残高といのは一朝一夕とう訳にはいかないものであろう。

また学生からずっとエイサーに携わっていると青年の成長も分かります。夏のエイサーシーズンが終わると淋しさのあまり泣き出す人もいるぐらいです。

エイサーを演舞している裏にはこんなストーリーもあることを少しでも理解して頂けたら幸いです。

こんな島国での伝統、文化遺産を見る機会がありましたら是非ご堪能下さい。

青年は語ります「シマでエイサーを踊るのが一番たのしい」地域の誇りとエイサーの曲にのせて踊る瞬間が一番だ。旧盆の踊は祖先とつながる瞬間と言えるかもしれませんね。

エイサーの構成から最後は少し語りになりましたが最後まで購読して頂きありがとうございます。

それでは夏のシーズンにお会いできることを楽しみしております(^-^)。

よければフォローの方も宜しくお願いします。